【あなたの笑顔>金メダル】
世界一美しい演技、だけではない。
切れ長の目、澄んだ瞳、伏目がちな眼差し
秘めた信念、どんな状況でも己を貫く姿。
北京オリンピック時の顔付きから、ロンドン
オリンピック出場となってからの顔付きが、
がらりと変わった。
目元が一層涼しげになり、揺るぎない志が
キリリとした口元に垣間見える。
石川遼や斉藤祐樹には無いかすかに漂う
色気にも似た独特の雰囲気も備えてきた。
世界からも選手たちからも賞賛される熟達し
洗練された質高く華麗な技。
-全く・・・心奪われている。
そんな隙の無い彼らしさをなんとか取り戻した
「個人総合」は、やはり賞賛しかない。
団体の演技で「内村よ、おまえもか?」。
動揺とは無縁の様な彼ですら「オリンピックに
魔物がいる」と言わしめる結果からの、復活。
「表彰台に上がったとき夢なのかと思った」と、
オリンピック前、必ずメダルは取れると公言して
いた彼が、安堵とともに輝くような表情で語った
のだった。
日本中が彼に華麗な演技と金メダルをと期待
してきた「応援」が自覚のないほどじわじわと
期待の重圧を背負わせてきたのだろう。
同時に、全種目演技した選手も唯一だったという。
体力と精神力の消耗は計り知れない。
インタビューで
金メダルを「重たいし一番輝いている」とこれ以上無い
と思える会心の笑みで応える彼に、インタビュアーは
「内村選手の笑顔の方がもっと輝いていますよ」。
-まさしくそのとおりっ!だった。
あんなにも清清しく輝く笑顔。
皆の、日本体操界の期待に応えた安堵と自己の
目的達成を果たしたとびきり煌いていた。
15歳で親元を離れオリンピック目指してきた彼に、
「今までどおりの笑顔で生き抜いてくれれば、それだけ
でいい」と語った母の言葉に離れて暮らすかけがえの
ない息子への、愛おしさに溢れた言葉。
そしてその息子もそんな歳月を経てきた母への思慕と
限りない感謝が溢れた表彰式での姿。
オリンピックや世界に冠たる一廉の超一流アスリートに
なる為には、夢への覚悟と果てしない向上心と費やす
時間。
一意専心の末に真に夢を獲得するアスリートは一握り。
確かにライバルとの戦いがあり、勝ってこそのだけれど、
鍛え上げられた技術と磨き上げられた心を備えた彼らの
真のライバルは、自分自身にある。
自他共に期待していた金メダルを手中にした直後の
共同記者会見で、「自分の理想の体操が実現していない、
それを追及し自己に挑戦する」とさらりと言い切る彼に、
華麗な完璧な体操美に、魅了され続けたいと思う。
【チーム力が齎すメダル】
「マークスピッツ=オリンピック」が記憶を遡ると
辿り着く。
欧米人の圧倒的な泳ぎを見せ付けられ、
日本人は悉く玉砕-そんな時代だった。
日本の競泳のレベルアップは目を見張るものがある。
(サッカーもプロが無い時代からすれば目覚しいが)
四方や世界に冠たる北島康介始め次々とメダリストが
台頭する今日があるとは-。
何れの選手もメンタルのバランスも取れていると伝わる。
シドニーの頃から感じていたが男女の隔てなくチーム
ジャパンの和気藹々とした連帯感の中での切磋琢磨の
環境、まとまりのある雰囲気も、彼らの活躍に少なからず
影響しているに違いない。
(銀メダル獲得した入江選手がいみじくも語っていた)
競泳界だけでなくオリンピック出場選手を長く引張って
きた北島選手、オリンピックで進行形の成長を皆が
認めた萩野選手、鈴木選手たち。
競泳の全ての選手、技量と心意気、素晴らしい。
晴れやかな舞台に相応しい活躍だ。
蛇足:
競泳選手たちの表彰式のシーンを見る度に
「もっと何とかならなかったのかな?」。
アメリカチームやロシアチーム等他国のユニフォームに
センスを感じた。
アメリカはオリンピック前アメリカ製品ではないと一時
物議をかもしたが、色のトーンは大人しいものの
繊細なラインやパーカータイプで、足先までの全体的な
コーディネートは見るものに印象を残す。
翻って日本・・・。
折角の彼らの輝きを引き立てるようなものではない。
色もデザインも全体的な華が著しく欠けている。
勿体無いなぁ。
-・-・-・-
競泳チームの団結力・和気藹々の緊張感が、
柔道チームにもあったなら、この惨敗は招かなかった
ように思う。特に、男子柔道。
気概よりも萎縮するような緊張感が伝わってきていた。
武道独特の礼節と日本のお家芸の看板が萎縮のベクトル
を助長させていたよう。
篠原監督の選手時代とは、柔道自体も選手のメンタリティも
残念ながら変わってしまっている。
時流を認め対応していかなくては。
競泳チームとは対照的なチーム色・・・。
【世界を見よう・世界の超一流に感動しよう】
昔は、オリンピック中継はで世界中のアスリートに魅了
されることが多かった。
それだけ日本と世界の実力差があったことは確かだが、
それにしても、日本でのオリンピックの報道も、日本選手の
競技に余りにも偏りすぎていると感じてならない。
例えばマイケルフェルプス。
競泳史上初の同一種目三連覇の400m個人メドレーの
快挙、通算メダル数20個が、どれだけ価値あるもので
あるかは、歴然としている。
われらが北島選手でさえその壁を越えられなかったのだ。
もっとクローズアップして世界中で称えるべき記録と偉業。
どの選手も、この日のために一心にメダルへ向かって磨き
上げてきた「技」とそれを勝る鍛えげられた「魂」の一瞬だ。
今日の日本選手の活躍は、オリンピックで活躍するアスリート
に感動し、夢を抱いたはずなのだ。
そして彼らの力を尽くした姿が、次の世代を生み出している
といっても過言ではない。
地上からではなく宇宙の視点で地球を見よう、日本を見よう。
もっと既存メディアは世界に目を向けた、世界から見た日本
の視点で、広く大きく発信して欲しい。
スポーツこそ、国境はない。
国を超えて称えあう各国のアスリートたちの姿は、とても美しく、
心揺さぶられる。
きょうから、陸上。
どの選手も悔いなく結果を齎して欲しい。
(どうも球技系には興味のアンテナが行かないなぁ)