それは、
あたかも小学生が大人の哲学書を開き、たどたどしい。
書かれた活字は、文字を音として読み上げるが如く・・・
けれど、今はそれで良しとしている。とにかくまずは親しむ
為に馴染む為に、目にして好奇心を育て刺激し、脳の
自発的発達を促がそう。
知らず知らずにすこぉしずつ理解していけば良い-
そう自らに言い聞かせて続けて読んで、3冊目。
佐藤勝彦氏のインフレーション宇宙論「マルチバース」。
これまでの2冊も氏の著書。
宇宙って、1つだと思ってきた、いや地球が浮かぶ宇宙こそ
最大無限の器であると無条件に記憶されていた。
-唯一の宇宙、"ユニ"バース。
だがしかし・・・。
無数なのは「星」だけではなく、「宇宙」そのものでもある、
という理論。
好奇心が広がって、「マルチバース」の宇宙論をかじることにした。
記号でしかない難しすぎる公式は読み飛ばし、1冊目や2冊目
の文章も深く考えずに文字を追うことにしていた。
兎に角数をこなして感覚を均そう、と。
3冊目の「宇宙論入門~誕生から未来へ~」を読む頃には
少しずつ文章が脳の中で咀嚼を始めてた。
理解を超えている大きな視点と理論ではあるけれど、何だか面白い。
加速度的膨張≒インフレーションの中の量子論的密度ゆらぎ
(凸凹)が「宇宙構造の種」であるという。
そしてインフレーションが進行している時代は、宇宙は凸凹
だらけで、インフレーションによって親宇宙から子ども宇宙が
どんどん生まれる宇宙の多重発生が起こっているらしい。
空を見上げ星の煌きに惹かれ月の輝きに魅せられ、
空の向こうに広がる先の先に、地球を抱える天の川銀河。
その天の川銀河を始め大小無数の銀河グループの「局所銀河群」
を抱えているこの宇宙は、137億年前に生まれた。
この宇宙は、時間も空間もない無から誕生し、0.01秒後1000億度
の温度、エネルギー密度が物質を上回り・・・温度が10億度まで下
がると陽子と中性子が結合し・・・誕生30分後には核反応が止み、
30万年したところで水素とヘリウムのガスと光からなる宇宙ができ
・・・宇宙が膨張し(インフレーションを起こし)宇宙の各所で天体を
形成していく・・・。
宇宙誕生30万年後の電波を「宇宙背景放射」といい、この頃を
「宇宙の晴れ上がり」としている-。
10次元、11次元とも考えられているブレーン宇宙の中に、地球の
ある宇宙は3次元・・・・。
想像の限界を知らない世界の中に生きている?
☆ ☆ ☆
はやぶさが持ち帰った(地上に送り届けた)カプセルにあった
微粒子が、宇宙誕生の謎に近づく「小惑星いとかわで採取した
ものと確認」のニュースは、宇宙の「未知への知りたい」謎解きを
尚煽り、浪漫を膨らませた。
そしてそれ以上に、はやぶさに携わったJAXAはじめ全ての
スタッフがはやぶさに注ぐ情熱以上の慈しみが伝わるエピソード
でもあった。
精密な「機械」でしかないはやぶさにまさに命を吹き込み、打ち
上げてから7年余りの歳月が、親であるスタッフ達と子としての
はやぶさの間に、かけがえのない絆を育んでいったかのようだ。
地上からの呼びかけに奇跡の反応を返し自身は大気圏に突入して
文字通りの星になって尚、約束のカプセルを確かに地上に送り
届けるという健気さの出来事に心を動かされない人は居ない筈。
科学的な偉業であるばかりか我が子の"遺業"という感慨深さも
増長した瞬間だったに違いない。
人類の科学技術の先端の先端を行きつつ、人の心の懐に入り
込む情が、画期的な進歩に人類が感情の生き物という"味"を
加えている。
一方「誕生後わずか30年と推定される観測史上最も若いブラック
ホールが、地球からわずか5000万光年の場所で発見」という興味
深い話題もあった。
近頃空を見上げて眺める月、空に輝くその姿、明るさがとても澄んで
見えるのは、冬の空だからか?
こうしているうちにも億光年に果てしなく膨張し続けているという気の
遠くなる宇宙世界へと思いを馳せれば、空を仰ぎ見る時間が長ければ
長いほど、心が透明になっていくようで、星々と月が浮かぶ夜空に
吸い込まれ、やがて一個の魂へと戻っていくようで・・・。
そんな輝きのある闇の吸引力をもつ宇宙が、無数にあるかも知れない
なんて!
その驚きと畏怖の念を表す言葉、見出せない。
